第5戦の舞台は静岡県小山町にある富士スピードウェイ。土曜日に15分間の予選、日曜日に10周の決勝が行われる通常スケジュールとなっている。十勝スピードウェイで行われた前戦を欠場した元嶋佑弥選手(98号車)が復帰し、高橋知己選手(97号車)とのレギュラーコンビでの参戦。高橋は水曜日、元嶋は木曜日から走行を開始した。
土曜日の天候は曇り。15分間の予選は12時20分から行われ、元嶋佑弥選手(98号車)は、前戦でポールトゥウィンを達成した高橋知己選手(97号車)のスリップに付く作戦を選択。2台は路面状況の好転を待ち、ピットロードで待機している。ぽつぽつとコースインしていく車両の姿はあるが、ほとんどのチームが同じ作戦を取っており、ピットロードは膠着状態。刻一刻と時間が過ぎていく。静寂を破ったのは残り3分を切ったタイミング。元嶋、高橋両選手もコースに入り、アタックを開始する。しかし、高橋選手の車両にミッショントラブルが発生。そのスリップに付いていた元嶋選手も巻き込まれ、タイムロスを喫してしまう。さらに2台のアタック中に他車のクラッシュによる黄旗提示があり、ラップタイムは抹消に。予想外の展開により、両選手揃っての予選不通過となった。
日曜日の天候は曇り。蒸し暑い残暑の中、10周の決勝レースが行われた。元嶋選手と高橋選手は競技会審査委員会の裁定により、それぞれ28番、29番グリッドからのスタートに。元嶋選手は、序盤から果敢な追い上げを披露し、1周目を終える頃には20位へ浮上。続く2周目に17位、3周目には15位と着実にポジションを上げていく。さらに上位勢での接触や混乱も味方につけ、冷静な走りでオーバーテイクを重ねた元嶋選手は、最後までその勢いをキープ。12位でフィニッシュした。
29番グリッドからスタートした高橋選手も、1周目に24位までポジションを上げ、追い上げ体勢に。その後は冷静に前走車を1台ずつ攻略し、3周目には21位、4周目には20位と勝負強さを発揮する。終盤に入ってもペースを落とすことなく、9周目には自己ベストをマーク。最後まで集中力を切らさず走り切り、15位でフィニッシュした。
なお、上位の選手にペナルティが与えられたことにより、正式結果は元嶋選手が11位、高橋選手が13位。予選の不運から一転、2人の印象的なパフォーマンスを実感したレースだった。
car | driver | pos. | total | best lap |
---|---|---|---|---|
97 | 高橋 知己 | 13 | 20'51.624 | 2'03.341 |
98 | 元嶋 佑弥 | 11 | 20'47.290 | 2'03.461 |
予選では調子の良い高橋選手のスリップを使って走っていたのですが、高橋選手のミッショントラブルに巻き込まれてしまい、さらに目前でダブルイエローフラッグが出て減速したことで、タイムを計測できませんでした。リスクを取ってタイムを狙うのがこの競技なので、この結果は自分の責任だと思っています。決勝は本当に疲れましたが、スタートで良いポジションを取れたことで順調に追い上げることができました。予選を思い返すともったいなさはありますが、クルマをキレイなまま戻すことができたのは良かったです。楽しいレースができましたし、次戦も頑張ります。
97号車 高橋 知己選手
第5戦 予選:NoTime/決勝13位
専有走行などでは大きな問題はなかったのですが、前回ほどセッティングがフィットしている感覚はなく、予選は難しい状況でした。チームは最善を尽くしてくれましたが、ミッションに違和感があり、さらに黄旗が出てしまい、タイム抹消という結果になってしまいました。決勝では、応援してくださっている方にしっかりと追い上げのレースをお見せしたいと思って臨みました。これまでのレースで学んできたことを活かし、追い上げる走りができたのは良かったです。自分の中ではとてもいいレースができたと感じていますし、観ている方にも楽しんでいただけたのではないかと思います。今回の経験で、戦える手応えをつかめたので、次戦ではさらに速さを見せて上位争いをしたいです。