TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupの開幕戦が富士スピードウェイ(静岡県小山町)で行われた。トヨタモビリティ神奈川DTEC TEAM MASTER ONEは新たに元嶋佑弥選手(98号車)、高橋知己選手(97号車)と契約。プロフェッショナルシリーズにフル参戦する。元嶋選手にとって5年ぶりの86レース、ルーキーの高橋選手にとっては初めての86レース。
高橋選手はカート出身のドライバーでレース歴は17年。Hパターンシフトは教習所以来とのことだが、経験豊富な元嶋選手と共に、シリーズチャンピオンを目指す。開幕戦はスーパーフォーミュラとの併催で、土曜日に予選、日曜日に決勝(10周)というスケジュール。
プロフェッショナルシリーズのエントリー台数は39台。土曜日の天候は雨。予選が始まるころには小雨になっていたものの、直前まで降り続いた雨により、路面状況はフルウエットに。いきなり雨が強まる可能性もあるので、元嶋、高橋両選手を含めたほとんどのドライバーが予選開始直後にコースイン。
元嶋選手が2周目に2分15秒181をマークし、2位につけるが、路面は乾きつつあり、激しいタイムの塗り替え合戦が勃発。予選終了までタイムを更新し続ける目の離せない展開の中、元嶋選手は7周目に2分13秒227をマークし、4位の好位置に。高橋選手も8周目に2分14秒013をマークし、トップ10に迫る予選14位を獲得した。
日曜日の天候は晴れ。前日とは打って変わり、ドライコンディションで決勝が行われた。4番グリッドからスタートした元嶋選手は、前方3台を追う体制に入るも、後続に追突され、クルマに大きなダメージを負ってしまう。6つ順位を下げ、10位でオープニングラップ終了。
リアの損傷は大きかったもののペースは良く、再度追い上げ体制に入るも、周囲の混乱は激しく、再び後方のクルマから追突を受け、3周目にポジションダウン。11位に後退する。元嶋選手はあきらめずに前を追い、一時は10位にポジションを戻すことに成功したが、後続からの3度目の追突を受け、コースアウト。大きくポジションを落とし、18位でチェッカーを受けた。
14番グリッドからスタートした高橋選手は、好スタートを決め、トップ集団で起こったクラッシュをうまくかわすも、バトルの激しさに大苦戦。自身のリズムを作ることができず、大きく後退していく。1周目に19位、2周目には25位までポジションダウン。百戦錬磨のプロドライバーがひしめき合うプロシリーズの洗礼を受け、28位でチェッカーを受けた。なお、上位のドライバーにペナルティが加算されたことにより、高橋選手の正式結果は27位。
元嶋、高橋両選手ともに、結果は不本意なものだったが、今後の活躍に期待が持てる内容だった。次戦は8月20日~21日、スポーツランドSUGOで行われる。
car | driver | pos. | total | best lap |
---|---|---|---|---|
97 | 高橋 知己 | 27 | 21'15.181 | 2'05.455 |
98 | 元嶋 佑弥 | 18 | 21'06.807 | 2'04.697 |
レースウィークの最初はドライで走ることができたのですが、正直ドライではまわりと比べて出遅れている感じがあって、週末は次戦に向けて何か持って帰らなきゃなと考えていたのですが、雨だと逆にすごく調子が良くて、これなら戦えるという手ごたえがあり、予選も自信を持って行くことができました。実際に予選では前の方で争うことができたので、それは良かったと思います。レースでは順当にスタートをすることができ、順位を下げることもなく、これからレースという時に、後ろから激しく追突というか、完全にこちらがコーナーを曲がっている状態で突っ込まれてしまい、フェンダーなどが中に入り込むなどマシンに大きな損傷を受け、クルマが全く走りませんでした。そこから追い上げて行っている時に、さらに追突されてしまい、さらに3回目の追突もあり、どんどん順位をおとしてしまい、自分のレースをさせてもらえない状況でした。上位を走って、後ろを離していればこういうこともないので、頑張って精進します。
97号車 高橋 知己選手【第1戦 決勝27位】
初めての86レースで、Hパターンのクルマを運転するのも教習所以来。まずそこに不安がありましたが、チームメイトである元嶋選手など先輩方に教えていただいて、その辺りはうまくまとめられるようになりました。が、細かいクルマの動かし方などは、まだまだ自分の中でうまくいっていない部分もありながらの予選となりました。雨には少し自信があったので、トップ10を目標にしていましたが、少し足りなかったのでそこは悔しいです。決勝時のオープニングラップのクラッシュは、キレイによけることができたのですが、混乱した状況での走行でペースを落とし、自分のペースを作れず、後続にどんどんのまれていった感じでした。86レースの組み立ての難しさというのを痛感しました。レース自体は様々な場所でクラッシュがあり、大混乱だったので、車体に傷をつけずに戻れたのは良かったと思います。次戦に向けての収穫もあったので、ドライであれば結構いけると思います。クルマもだいぶ理解できたので、チームの皆さんにも色々と教えて頂きながら、まずはポイントを取れるように頑張りたいと思います。