ついに優勝!
この流れは止められない!!
前戦の富士スピードウェイで、見事に表彰台を2つ獲得したDTECチーム・マスターワン。初表彰台にして2位と3位を同時にゲットすることに成功した。残されていたその頂点を目指して、チームと2人のドライバーは岡山国際サーキットへと乗り込んだ。
86/BRZレースは8月の開催がなく、1カ月以上の夏休みがあった。その間にチームはさらにマシンをチェックし、さらに競争力を高めていた。その勢いをそのまま繋げるためにチームは木曜日から走行を開始し、細かなチェックを行った。
しかしアクシデントは起きた。同時開催となるスーパー耐久のマシンで練習走行中だった菊地靖選手が、ブレーキトラブルによって高速のままクラッシュし、マシンは大破してしまった。菊地選手には幸い大きなケガはなかったものの、全身に打撲痕が残った。コンディションが心配されたが、結果的には最後までスケジュールをこなし、レースを戦ってくれた。
突然降り注いだスコールのような雨が上がり、コース上はウエットという状況で、予選はスタートした。時間経過とともに路面が乾いていくので、後半にタイムアタックしたほうが有利となる。A組となった76号車菊地選手はゆっくりとスタート。走行するマシンによって少しずつ乾いていくコースは、トップタイムを次々と更新しながら進んでいく。しかし終盤、コース上が混雑したこともあって、菊地選手は7位に留まった。
その後に行われた予選B組は、さらにコースが乾き、タイムアップは間違いない。つまり予選B組の1位がポールポジションになる確率が高い。前戦で惜しくも予選1組で2位だった小河選手は、その速さを証明する絶好のチャンスだった。だがしかし、小河選手は焦ることなく、予選開始から3分ほどの間コースインすることなく、待ちの姿勢。どうせ乾いていくコース、早めに入っても意味はない。
満を持してコースイン、そしてすでに3度のタイムアタックを終えていたライバル達を圧倒し、いきなりトップタイム。その後も路面コンディションを活かしてタイムを更新し続け、ラップタイムのモニターの一番上をキープし続けた。しかし終了直前、700号車の杉原直弥選手がタイムを更新。惜しくもB組2位となった。
決勝レースは晴れだったが、コース上は朝まで降り続いた雨の影響で湿った状態だった。小河選手は3番グリッド、菊地選手は14番グリッドからのスタート。小河選手は絶妙なスタートを決め、1周目ですぐにトップへ立った。そのまま1周0.5秒ずつ後続を引き離し、リードを築いていく。しかし5周目ヘアピンコーナーで多重クラッシュが発生、そのうちの1台がコースを塞ぐ形で停車してしまったために、セーフティカーがコースイン。小河選手はリードを失ってしまった。
菊地選手は予選順位が中団になってしまったため、激しい接近戦の中に居た。1周目に16位となってから多少の入れ換えはあったものの、順位は16位のままだった。そして前方を走っていた3台がリタイヤしたこともあり、セーフティーカーランは11位で走行することとなった。
8周目に入るところでセーフティカーがコースを離れ、再スタート。この2度目のスタートも小河選手は上手く決め、9周目には2位に2秒ものリードを作ることに成功した。その後、2位を走る岡山のスペシャリストでもある坂口良平選手に迫られるものの、1位でチェッカーフラッグを受けた。
ファステストラップも小河選手がゲットし、まさに小河選手のための1日となった。菊地選手は最終的に12位でゴール。ハードな週末でも、きっちりと完走させた。
2戦連続の表彰台によって、小河選手はシリーズポイントランキングで5位に浮上。この勢いを生かして、シーズン後半を戦ってくれることだろう。次戦は9月20〜21日、再び富士スピードウェイに戻って開催される。