チーム初の表彰台はなんとダブル!
小河選手が2位、菊地選手が3位獲得
なんという光景だろう!
7月26日、迎えた今シーズン第6戦、蒸し暑い富士スピードウェイの表彰台には、DTECチーム・マスターワンの2人のドライバーが上がっていた。97号車の小河諒選手が2位、76号車の菊地靖選手が3位を獲得したのだ。昨年のオープニングレースから参戦を開始して13戦目、ここまで最上位は6位。正直なところ、表彰台に手が届きそうなレースは、ひとつもなかった。
それがいきなりのダブル表彰台を獲得したのである。
予選からDTECチーム・マスターワンの2人のドライバーは、これまでにないペースだった。
予選1組を走った小河諒選手は、その開始早々にトップタイムをマーク。その後、一時は4位まで順位を落すものの、再びタイムアタックをしトップタイムを奪還。そのまま1位かと思われたが、山野直也選手が最後のアタックでわずか0.023秒差でトップに立ち、小河選手は2位となった。しかし2列目からのスタートというのも、過去最高だ。
続く予選2組では青木孝行選手がコースレコードとなるトップタイムを出す。2位争いは今シーズンの開幕戦で優勝した坂口良平選手と菊地選手との一騎討ちとなった。菊地選手は坂口選手を上回るタイムをマークしたものの、オーバーランをしたペナルティを受け、そのタイムが抹消されてしまい、2位が坂口選手、3位が菊地選手ということになった。
結果として小河選手が4番グリッド、菊地選手が5番グリッドからのスタートとなった。青木選手、山野選手、坂口選手。前方でスタートする3人のうち、ひとりでもオーバーテイクできれば3位に入ることができる。予選が終了した時点で、表彰台はもう、DTECチーム・マスターワンのすぐそばにあった。
決勝レースのスタートは、少なくとも上位陣は波乱のない、スムーズなものだった。つまり青木選手、山野選手、坂口選手、小河選手、菊地選手というグリッドの順番通りで、1コーナーに入っていた。しかし、その5台は接近戦で、連なってコースを駆け抜けていく。
その1周目のダンロップコーナー、山野選手と坂口選手が接触、山野選手のタイヤが裂けてしまい走行不能に。これで小河選手は3位へと上がった。その接触の影響があるのか、坂口選手のペースが上がらず、小河選手は4周目に、菊地選手は5周目に、次々とオーバーテイクしていく。つまり5周終了時点で、1位青木選手、2位小河選手、3位菊地選手となった。
しかし小河選手が2位になった時点で、すでに青木選手は独走し、5秒以上の差を付けていた。レースでの速さに勝る小河選手は、ファステストラップを出しながら青木選手を追いかけるが、しかし5秒という差はあまりにも大きかった。10周のレースは、その差を縮めたものの、追いつくことは叶わず、小河選手は2位、菊地選手が3位でチェッカーフラッグを受けた。
DTECチーム・マスターワンは本来の力を発揮し、表彰台に2人のドライバーを立たせることができた。これはとても大きな成果だ。だが勝利したわけではない。あと1段だけ高い位置を目指して、さらなる進化が求められる。