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決勝レースは14位に終わったが、その速さは証明することができた

2位! それはDTECチーム・マスターワンが待ち望んでいた順位だった。ただ残念なことに決勝レースではなく、練習走行での順位だった。しかし、間違いなくこのチームに初めて熱気が漲った瞬間であった。
スポーツランドSUGOのレースウィークの金曜日、雨の中で練習走行が行われた。前日のスポーツ走行から続いた雨だったが、新しいシューズとなるポテンザが、思ったよりもウェットグリップ性能が高いことは前日に確認済みだった。
トップタイムは、第1戦の富士スピードウェイで優勝を果たした山野直也選手。坂本選手は0.3秒及ばなかったが、しかし2位というポジションを得たことで、この週末への期待感は高くなった。「やっと坂本も、本領発揮か」という声も聞こえた。
土曜日の予選、チームは雨を望んでいた。それは雨ばかりのテスト走行に開き直っていたわけではない。発熱しやすいがため熱ダレのデータが取れていないポテンザを、まだドライでテストしたことなく、路面温度の低い雨がベターと判断したのだ。しかし、その願いは叶わず、予選はドライだった。
A/Bの2組に分かれた予選、1周目のアタックでは、見事にトップタイムをマーク。ただし、坂本選手もポテンザで初めてのドライということで、マージンを持ったアタックだったようだ。2周目、3週目とライバルがタイムアップを果たして、4位にまでポジションを落としてしまう。
2週目からクールダウンして、先行車とのスペースを開けた坂本選手は3週目に再びアタックする。前半でタイムアップに成功したのだが、SPコーナーの2つ目でコースの外にはみ出してしまう。そのタイムロスが響き、ラップタイムは上がらなかった。結局、予選は4位のままで終わってしまった。


13周となる決勝レースは4列目からのスタート。天気は晴れだったが、まだ午前8時過ぎだったので路面温度はそれほど高くなかった。はたしてポテンザは最後まで、その性能を維持できるのだろうか。
クリーンなスタートをした45台、坂本選手も巧くスタートを決め、コース幅の狭いSUGOを2台が並んだまま第1コーナーへと進入していく。


そして第4コーナー、3台が並んでコーナリングし、最もアウト側を走っていた坂本選手のマシンはイン側のマシンに弾かれスピンを喫し、惜しくも大幅に順位を落としてしまう。コースに戻った時にはポジションは24位となってしまっていた。
しかし速さはある。本来のポジションを取り戻すかのように、果敢に先行車を次々とオーバーテイクしていく。1周で2台を処理する場面もあり、ポジションは急速に上がっていった。だが予選順位まで戻ることはできず、結局14位でフィニッシュした。つまり10台をオーバーテイクしたことになる。
今回のレースではアクシデントによって、最終的な順位は14位に終わったものの、予選・決勝と速さをアピールすることはできた。その速さを活かして次戦の鈴鹿サーキットでの結果に期待したい。